質問箱の質問に回答します(1)

 質問箱というサービスがある。

 

 ツイッターのフォロワーから匿名で寄せられた質問に対し回答するというものだ。

 

 昨年の後半あたりから話題になり、タイムラインには画像つきの回答ツイートが溢れかえり、

岩を蹴散らし木を倒し村を襲い人を狙うなどの一悶着がありつつも、現在はブームが少し落ち着いた状況だ。

 

 その質問箱のアカウントを、僕もこっそり作っていた。昨年末に。

だがツイートによる告知はせず、ツイッターのプロフィール欄に箱のURLを追記するに留めておいた。

 

 僕自身のミーハー気質をどうしても隠し通したかったのだ。

流行に踊らされないクールでポーサビリティな夢顎んくで、居てほしかったのだ。

 

 質問箱?そんな一過性の、ポンと湧いて出たようなもんに乗っかる僕じゃないね。

 見くびってもらっちゃ困る。

 今流行ってるものを、流行っている今利用するなんてのは、センスの欠片も無いやつがすることだ。

 驕る平家は久しからず、盛者必衰の理をあらわす、棹に棹させば長過ぎる。

 そこら辺を見極めてこそ、一流の男ぞ、それが人間ぞ、鉄矢……!

 

 とか、ひたすら自分に言い聞かせていたけれど、

心の奥底から湧き上がる「上から目線で回答してえ~~~~~~!!!」という悲鳴を

完全に押さえ込むことは不可能だった。結局僕も、風俗嬢に説教するタイプの人間だったのだ。

 

 逡巡した挙句、「質問箱は作るけど、告知はしない」という自分なりの妥協案を見つけて、

後はひたすら放置していた。気づいた人だけが、質問を送ってくれれば良いと思っていた。

 

 それから数ヶ月。

 

 久々に箱を確認すると、7件の質問が届いていた。

 

 有り難いことだ。

 僕の歪な承認欲求をナデナデするためだけに、貴重な時間とキーボードの塗装を削ってまで

質問を送ってくれた7人の諸君。

 

 感謝の気持ちを示すために、僕から爵位を上げたいくらいだが

コンビニのガム売り場辺りを探しても爵位ギフトカードが売ってないので、

せめて質問には答えようと思う。

 

 一度に全部答えるのは疲れるので、何回かに分けて。

 

 では、以下質問とその回答。

 

 

 せっかく送ってもらったのに申し訳ないけども、かなり答えたくない質問だ。

 

 こういう、笑いやユーモアのポリシーなどを、自分で説明したり講釈こねるなんてのは、

僕にはとても恥ずかしいことでして、出来ることなら踵を返して回れ右して引き返したい。

 

 いや、本当に、どうしようかなと。

 

 「マジなやつで」と書かれていなければ「大好き五つ子ののんちゃんで毎秒射精する」とか

そういう方向に逃げることも出来たけれど、「マジなやつで」と念押しされている以上、

5年で卒業する学校に6年も通うほど真面目で堅物の僕に、ふざけるという選択肢はない。

 

 長く書けば書くほど、僕の心がスニーカーのように汚れていくので、手短に。

 

 文章を書く時は、とにかく小ネタをぎゅうぎゅうに詰め込むように心がけている。

 

 というか、僕の持つ武器はそれしかない。

 

 他のライターが書く文章みたいに、まるでチーズをカリカリに焼いたような巧みな構成で

読者を唸らせるなんて芸当は、到底ムリだから。

 

 読者を一度も素面にさせないようにひたすら小ネタを連発し、なんとか最後まで運んでいく。

これだけを心がけている。良く言えば詐欺師、悪く言えば詐欺師以下。

 

 

 答えやすい質問でホッと気持ちが安らぐ。見た瞬間に芳醇な香りが口いっぱいに広がった。

こういう質問を待っていたのかもしれないな。僕は。ずっと昔から。

 

 世に溢れる数多の質問、その中には人の神経を逆撫でしたり、

その逆に生きる気力を与えてくれたりと様々なものが存在するが、

今回のこの質問は、まさに質問の中の王と呼んでも差し支えないだろう。

 

 えーと、答えていいのかな?

 

 なんだか、すぐに答えてしまうのは勿体無い気もしてくる。

こんな素晴らしい質問はじっくりと時間をかけて味わわねば、質問自体に失礼なのでは。

 

 「何歳でおまんすか?」。そっと、声に出してみる。

不規則な周期で表れるア音の響きが、唇に心地よい振動を与えてくれる。

 

 やばい。やばいよコレ……。泣いちゃいそうだよ……。

 

 目頭に溜まる涙をそっと襟で拭い去ると、画面に向き直る。

このまま、ただ余韻に浸っていてはダメだ。人間は、いつまでも後部座席で眠ることは出来ない。

いつか、運転席に座る日がやってくる。チャーリー・ブラウンもそう言っていたじゃないか。

 

 答えなければ。勇気を出して。両足をしっかり地面に付けて。腹から声出して。朝飯を食べて。

 

 さあ、今がその時だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 26歳です。

 

 

 

 それを知ってどうするのか。

 

 ふてえ野郎だね。アタイの本名はねえ、親が一生懸命、タウンページとかをめくりながら

考えてくれた大事な大事な名前なんだよ。しかも当時のタウンページはねえ、

紙質が良くないからあんまりめくりすぎると指が真っ黒になるんだヨ。

 

 それを簡単に知ろうなんて、虫が良すぎるんじゃないかい?

ここらじゃ一番のスケって呼ばれたアタイも、流石に黙っちゃいられないよ。

まだキスも済ませてないうちから、頂いちまおうって算段かい?

こいつはちょっと痛い目にあってもらわねえと、分かんないみたいだねえ。

 

 アンタたち、かわいがってやんな!!

 

 

 

 以上の文章に含まれるカタカナの語句から数文字抜き出して並べ替えると、僕の下の名前になります。

せいぜい頑張ってください。

 

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コメント: 3
  • #1

    キヨウスケ (月曜日, 12 2月 2018)

    最高でおまんした

  • #2

    23 (月曜日, 12 2月 2018 21:26)

    あと4つ?もたのしみです!

  • #3

    アルゴリズム (月曜日, 09 4月 2018 07:59)

    ヨウスケ
    タイスケ
    キョウスケ のどれかですか?